2011.12.22 Thursday
歩道の敷石は、1968年(昭和43年)に路面電車が廃止された時に、路面電車の軌道敷に使われていたものを、再利用したものです。
かなり厚みのある(6cm内外)御影石(花崗岩)です。花崗岩は熱膨張・収縮によって角が欠けることが多いんですが、石が分厚いので少々欠けても、かえって味が出てくる感じです(^^)。石の表面は荒めのビシャン仕上げ。路面電車の軌道で使われていた頃はノミ切り仕上げだったはずで、その跡も残っている感じです。
石の色もかなりばらつきがあって、素晴らしいです。
で、松屋の前あたりを歩いていて気づいたんですが、舗装が妙に新しい感じ。
どういうわけか、交差点の切り下げの部分は昔のままの舗装みたいです。上の写真では歩道を左右に横断する目地の向こう側(交差点側)と手前側で舗装の仕上げが異なります。
向こう側は、角が欠け、表面仕上げの肌理が深く、かつ、表面が擦り切れて艶があります。古くて風格があるい感じですね。一方、手前側は、まだ角がしっかり残っているし、表面を平らにビシャン仕上げしたばっかりで、まだ擦れていない感じで、奥に比べると青二才という感じ(^^;)
おまけに、石の種類が少なくて、色や肌理のばらつきが少ないので、なんだか安っぽい。銀座の旦那さんがたは、このあたりのことまで目利きできるはずじゃないの?
銀座のど真ん中、和光ビルの前で舗装の向きが切り替わる部分なんか、昔はこんな仕上げじゃなかったはず。まず目地が広すぎる。それに、写真の中央に小さな三角形の石が2つ向かい合っていますが、昔は、その2つをつないだ形の四角形の石が嵌っていて、石工さんの丁寧な仕事に感動した覚えがあります。
対面の三愛ビルの前はもっとひどくて、左右が全然合っていません。酷い。職人の誇りはどこへ行った?
一方、数年前に新しくなった照明灯は、とても奇麗です。この照明のデザインは、国際コンペが行われたものです。コンペで選ばれたのは前橋工科大学の松井淳と桜沢拓也。
柱の下部は、亜鉛メッキみたいな迷彩柄の仕上げです。質感が素晴らしいです。
柱の上部は、ガラスで仕上げられていて、夜には光ります。
ユニクロの前あたりの舗装は、昔のままみたいでした。新しい舗装も時間が経てば風格が出てくるのでしょうけど、ちょっと格が下がってしまった感じでした(^^;)
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Category:東京都