2008.11.23 Sunday
iPhoneで使えるGPSログアプリのEvery Trailは、iPhoneのデジカメで撮影した写真を、移動経路を示す地図に貼り込んでくれることは、先日の記事で書いた。今回は、その続きでEvery Trailの地図に、GPSでない普通のデジカメの写真を、地図上に簡単に貼り込んでしまおうというのである。
大きな地図で見る
貼り込んだ結果が上の地図。○をクリックすると写真が表示されるが、これはiPhoneで撮影したものではなく、普通のデジカメ(GPS無し)で撮影したものだ。大きな地図で見る
移動開始が池の中になっているのは、最初に位置の特定を間違えたらしい。御愛敬(^^;)
景観デザインの現地調査では、iPhoneのカメラは(画角が狭くて)使い物にならないから、普通の広角レンズのデジカメを使う。こいつにはGPSは付いていないのに、EveryTrailと一緒に使うと写真撮影位置を地図に落としてくれるのだ。これはかなり便利。現地調査に2人以上で行くときも、誰か一人がiPhoneを持っていれば、全員の写真を地図に貼ることができる。(GPSデジカメを人数分揃えると高いもんね)。
以下、細かい手順を覚え書き。
0.準備するもの
(1)iPhone(これがないと始まらない。iPod Touchには残念ながらGPSがない)
(2)iPhoneで使える外付けバッテリー(2時間以上の調査をするなら必要)
(3)iPhoneを首から下げておき、バッテリーをカバンやポケットに入れてiPhoneに繋いだまま現地調査できるようにする。
(4)Every Trail(iPhoneに入れるソフトウエア(無料))を入れておく
(5)Every Trailのアカウント(無料)をとる(Every Trailのサイトの右上にあるsign upをクリック)。
(6)iPhone上のEveryTrailでアカウントをセットする。EveryTrailを起動し、右下のSettingsをタップし、EverTrailをタップし、UsernameとPasswordを入力する。
(7)EnjoyNA Clock(iPhoneで時計を大きく表示するソフトならなんでもOK)
(8)デジカメ(何でも良い)
(9)Flickrのアカウント(無料)があるほうがよい。
(10)パソコン(Macでも、たぶんWinでも)
1.出発前の準備
(11)iPhoneとiPhoneのバッテリーを充電する。
(12)デジカメを充電する。
(13)安定動作のために、iPhoneをリスタートする。
(14)iPhoneの時刻を正確に合わせる(たぶんパソコンにつないで同期すればそれでOK。パソコンの時刻はインターネットには繋がってるMacならNTPで自動的に合っているはずで、たぶんWinでもそうなんじゃないの?)
(追記)というのは、間違いで、パソコンと同期しても時刻は合わせてくれない。今のところ(2009年2月)正確に合わせるのは無理で、ほぼ正確に合わせるコツは、QVEさまのブログに詳しい。ついでにEveryTrailがGPSログを取るときに、iPhone内部時計とGPS衛星の時計のどちらを利用しているのか試してみた。やっぱりiPhoneの時計を正確に合わせる機能が欲しいですね。appleさま、なんとかして。
(15)デジカメの時刻を正確に合わせる。これは結構大変。そもそもデジカメの時刻表示は秒まで表示してくれないことが多い。あとで補正できるけど、ちゃんと合っている方が楽。
(16)iPhoneとデジカメの時刻の誤差を、念のため確認できるようにしておく。具体的にはiPhoneで EnjoyNA Clockなどの時刻を大きく表示するソフトを立ち上げ、その画面をデジカメで撮影する。あとで写真を開くと、写っている時計の時刻と、画像ファイルに記録された時刻の誤差が把握できる。下の写真は、デジカメでiPhoneの時計を撮影した写真をiPhotoで開いたところ。iPhoneの時計は13:18:00だけど、左側に表示されている画像の時刻は13:18:02なので、デジカメの時計が2秒進んでいる。この確認作業は現地調査が終わって、写真をパソコンに取り込んでからでよい。
2.現地調査の現場へ移動
(17)Every Trailの経路情報は公開されてしまうので(あとから非公開にできるとはいえ)、個人情報保護の観点から、自宅などを離れてから、ログを取り始める方がよい。
3.調査開始
(18)iPhoneに外付けバッテリーを繋ぐ。
(19)iPhoneの設定で、画面の明るさを暗くし、明るさの自動調整をオフにし、Wi-Fiもオフにするとバッテリーが長持ちする。(3Gもオフにすると、もっと長持ちするらしいけど、いいのか?)
(20) iPhoneの標準機能の「マップ」で現在位置を表示させる。iPhoneが衛星を認識して現在位置がマップに表示されたらOK。
(21) Every Trailを起動する。最初はDetermining location....と表示され現在位置を探す。
(22) Every Trailに緯度、経度などが表示されたら、STARTボタンを押して、現地調査を開始。
(23) Every Trailは起動したままにしておく。途中で調査を中断するときは、画面のSTOPボタンを押す。電源を切ったり、他の機能を使ってもよい。再開するときはRESUMEボタンを押して再開。iPhoneのGPSアンテナはiPhoneのカメラレンズの周囲の金属の輪らしいので、iPhoneがGPS衛星を見失わないように注意。単純に首からぶらぶら下げておけば大丈夫のようだ。
(24) Every Trailが起動している間に、不用意にボタンを押してしまわないように、画面のlockを押しておく。一方、iPhoneのロック機能が働かないようにしておく。
(25) 普通に歩き回り(自転車でも車でもOK)、写真を撮り、現地調査する。Every Trailでも写真を撮れるが、たくさん撮影すると、あとでアップロードするときに時間がかかる。
(26) トンネルに入ったりすると、iPhoneがGPS衛星を見失うので、時々、地図を表示させて、現在位置を認識しているかどうか確認する方がよい。
(27) 山奥などでソフトバンクの電話回線に繋がらなくなってもかまわない。GPS衛星をiPhoneが認識していればOK。逆に都市の地下などで、電話は繋がってもGPSが使えないようなら位置を見失うので、その間に撮影した写真は撮影位置が記録できない。撮影位置は自分で覚えておけば、あとから手動で地図に貼ることができる。
4.調査終了
(28) Every TrailのSTOPを押し、SAVEを押し、UPLOADを押す。移動経路がEvery Trailのサイトにアップロードされる。山奥の調査などで、電話回線に繋がらないようなら、移動して電話が繋がるようになってからアップロードする。オフィスに戻ってからWi-Fiを使ってアップロードしてもよい。
(29) UPLOADするときにタイトルなどを記入できるが、あとで修正できるので、適当でよい。
5.オフィスに戻ってからの作業
5.1 Flickrの作業
(30)写真をパソコンに取り込み、Flickrにアップロードする。2人以上で調査した場合(あるいは一人でもデジカメを2つ以上使った場合)は、Flickrで別々のSetに分けておく。
5.2 Every Trailのウェブサイトでの作業
(31) EveryTrailのサイトに行き、ログインし、MyTripを選ぶ。
(32) MyTripを見に行くと、さきほどアップロードした経路情報が地図に表示されている。Every Trailで写真を撮影していれば、それも表示される。
(33) Edit Map をクリックすると、次の画面で地図の種類が選択できる(衛星写真とか、普通の地図とか、地形とか、好きなものを選べる)がしかし、あとでもう一度設定する必要がある。ここで、地図にポイントをマークしたり、線を引いたりもできる。
※このEdit Map, Edit Pictures, Edit Description は、よく使う。
(34) Continueボタンをクリックして次に進むと「Step 3: Add Pictures」の画面になる(下図)が、「Step 2: Tell Story」をクリックして1Step戻る(このあたり、洗練されてないなぁ このサイト)。
(35)「Step 2: Tell Story」で、Trip Titleの変更(日本語も使える)や、Public or Private(公開or非公開)を選択できる。Privateを選択するまでは公開されている状態なので注意が必要である。
(36)同じ画面の右側で、地図の種類を選択する。ここで選んだ種類が、後で地図をブログやホームページに貼るときの種類になる。
(37)その他の項目も必要に応じて変更し、Continueをクリックすると、「Step 3: Add Pictures」の画面になる。Every Trailで写真を撮影している場合は、画面の下部に撮影した写真が並んでいる(撮影していない場合は、(38)へ進む)。ここで一時的にEveryTrailで撮った写真を不採用にする。写真の列の左上にある"deselect all"をクリックして写真のチェックマークを外し、画面中央上部の "Finished"ボタンをクリックする。
(38)写真なしの地図が表示されるので、ここで "Edit Pictures"をクリックする。
(39)次の画面で「B. Or simply Import from Flickr 」をクリックして、Flickrから写真を取り込む。
(40) FlickrのSetの一覧が示されるので、必要な写真を選ぶ。
※Set名称に日本語を用いている場合は、上の画像のようにMac&Safari環境では文字化けするが、表示メニュー/テキストエンコーディングをUnicodeにしたら....
文字化けが少なくなった(^^;)
※写真を読み込む際にFlickrからではなく、デジカメから直接(あるいはパソコンにコピーした)写真を読み込むこともできる(その場合は「A. Choose new photos from your computer 」を選ぶ)が、その場合は、ファイルサイズが4MBに制限されるので、画素数の大きなデジカメの場合はFlickrを使う方が簡単だと思う。
(41)次の画面で、デジカメの写真を地図上に自動的に貼り込むことができる。Every Trailには、いつ何処にいたか?が記録されており、一方、写真には撮影時刻が記録されているので、何処で撮影したかが分かるという仕組み。
ただし、Every Trailの記録はGMT(グリニッジ標準時)であり、デジカメの時刻はローカルタイム(ここでは日本時間)なので、時差の調整が必要である。+9時間にセットして "Auto place all" をクリックすれば、地図上に写真を貼ってくれる。
※デジカメの時計が正確でない場合は、+9時間のところを誤差のぶんだけ調整する。ここで、iPhoneの時計を撮影しておいた画像が役に立つ。秒単位で調整できる。
(42)写真を貼り込んだら、Continueをクリックする。
(43)別のデジカメで撮影した写真も貼り込む場合は、(37)と同様に、先ほどは利根だ写真を一時的に不採用にしてから、(41)を繰り返す。デジカメごとに時計の誤差が異なるので、そのつど調整する必要があるのだ。
(44) (37)で外した、Every Trailで撮影した写真を戻す場合は、Edit picturesをクリックした後に、「C. Or Include your photos from nearby 」を選ぶ。そうすると、近くで撮影した写真が出てくる。Every Trailで撮影した写真があるはずなので、それを選択して、「Add photos to trip」をクリック。
(45)写真の張り込みが終わったら完成。
ページの下部の「Share this trip」で、ブログやホームページに<iframe>で貼り込むためのタグがあるので、コピーする。
5.3 ホームページやブログの編集での作業
(46)ブログやホームページのコードに、(45)のタグをペーストする。
(47)ペーストしたタグでは、width=415 height=300になっているので、レイアウトに合わせて数値を変更する。
これでおわり。
お疲れ様でした。
こちらの説明もわかりやすいです。
(追記)
Sony GPS-CS3Kを購入したら、こんな面倒なことをしなくても、実に簡単にデジカメ画像にジオタグを書き込めるようになりました。詳細はこちら。
(さらに追記)
iPhoneのEveryTrailがversion3にアップデート
特集 デジカメ + ジオタグ + GPS (or iPhone) + GoogleMap + iPhoto 09
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Category:MacときどきWin